2024年11月09日
食器棚
キッチンに必要な通路幅について

キッチンスペースでの動線は、料理の効率性や快適性、安全性に大きく影響する重要な要素です。
その動線にとって通路幅は、スムーズに作業を行う上で欠かせない大切な項目となります。
今回は、キッチンをストレスなく使うための通路幅の目安や決め方のコツなどをご紹介します。
キッチンの通路幅が狭いすぎる場合の失敗談
複数人で使えない
通路が狭いと、人とすれ違うことができなかったり、調理中にぶつかったりと、複数人でキッチンを使用することが困難になります。
家族みんなが利用する冷蔵庫がキッチンの奥にある場合、調理中に後ろを通れるスペースがないと大変不便に感じます。
扉が開けづらい
キッチンには冷蔵庫や食器棚、新築で人気のビルトイン食洗器など、扉や引出を開いて使用しないといけないアイテムがいっぱい。
そうしたアイテムを置いている場合、「開いたとき」を考慮した通路幅がないと、ものの出し入れも大変です。
また、システムキッチン下の収納部などはしゃがんでものを取り出しますので、さらにスペースが必要になります。
ストレスが増える
キッチンの通路幅が狭いと天井面積も狭くなり、照明を設置できる部分も限られてしまいます。
レンジフードが出っ張っていて、作業する手元が薄暗くなることも…。
先に述べたキッチンの通路幅によるマイナス面も含め、調理中の動線が悪くなり、ストレスへとつながります。
キッチンの通路幅が広すぎる場合の失敗談
無駄な動きが多くなる
キッチンの通路幅が広すぎてしまうと、振り返っただけでは背面に置いてあるものに手が届かない可能性があります。
食器棚や電子レンジ、炊飯器などの家電収納を背面に配置する場合、振り向いてすぐに使えず、無駄な動きが増えてしまいます。
移動歩数が増える
キッチンの通路幅が広くなれば、それだけキッチン内で移動するための歩数は増えてしまいます。
冷蔵庫までの数歩だとしても毎日繰り返されれば、調理中や片づけの際の移動距離が長くなることで疲れやすくなるデメリットにつながります。
他のスペースを圧迫する
キッチンの通路幅を広くするためには、他のスペースを削らなければいけません。
広すぎる通路幅は、隣接するダイニングやリビングを圧迫してしまう要因にもなります。
キッチンの通路幅の目安
1人で調理する場合

メインで作業を行う人が1人の場合、キッチンの通路幅は 80~90cm が一般的です。
この幅があれば、背面にカップボードを置いた際にも手が届きやすく、調理などの作業もスムーズに行えます。
複数人で調理する場合

複数人でキッチンに立つことが多い場合、キッチンの通路幅は 100~120cm がおすすめです。
特に、2人以上で同時に調理する場合や、大型の冷蔵庫、食器棚がある場合は、すれ違ったり扉の開け閉めを考慮し、余裕を持った通路幅を設けると使いやすいキッチンになります。
通路幅を決めるときのチェックポイント
キッチンでは家具や家電を設置するためのスペースも確保もしなければなりません。
アイテムの幅や奥行きはもちろん、動作空間も必要となります。
また、住む人の家族構成によっても必要なスペースは変わってきます。
新居に入居するための家具・家電の買い替えの際や、新築・リフォームなどでキッチンのレイアウトを決めるときに、適切なキッチンの通路幅を確保するためにも、事前にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
冷蔵庫のサイズと開き方

冷蔵庫のサイズは容量やメーカーによって変わってきますが、 奥行は70cm程度 のものが多いようです。
また、冷蔵部分の扉は開き戸、冷凍庫部分は引出など、前に開くスペースが必要になります。
人が前に立って、庫内からものの出し入れをする場合、 冷蔵庫前には90cmはスペースを確保 しておきたいです。
食器棚のサイズと開き方

食器棚の奥行きは約45~50cm ものが一般的に多く流通しています。
システムキッチンの背面やダイニングテーブルと並行に食器棚を置こうとする場合、通路が食器棚の奥行分狭くなります。
また、スライドタイプ(引き戸)であれば、扉をオープンにした状態でも作業の邪魔になりませんが、扉が開き扉の場合は、前に扉を開けるスペースも必要になりますので、その分通路に余裕がないといけません。
開き戸や引出からものを出し入れすることを考えると、食器棚の前には80cm程度空間が必要 だと言われています。
家族構成

家族の人数や、同時に料理をする人数によって、必要な通路幅は変わります。
調理をメインで行う人が1人だとしても、冷蔵庫を開け閉めする人数、ダイニングテーブルとキッチンとの距離感など、家族構成によって変わる空間の確保も必要となります。
キッチンからダイニングへの動線設計
キッチンからダイニングへのスムーズな動線も、快適なキッチンライフを送るための大切なポイント。
スムーズな動線を確保することにより、食事の準備や片付けなどタイムパフォーマンスを向上させ、効率良く動くことができます。
キッチンとダイニングテーブルの距離

キッチンからダイニングテーブルまでの距離は、できるだけ短く、直線的な導線が理想です。
お部屋にゆとりがあるようなら、キッチンとダイニングを横並びにした一体型のレイアウトもおすすめです。
ダイニングテーブル周りの通路幅

ダイニングを通ってからしかキッチンへ入れないとすると、ダイニングの通路幅も重要な要素になります。
買い物した荷物を持って通るのに十分な幅があるのか、またキッチンから料理などをテーブルに持っていく際、安全に運べるスペースが確保できているのかなども考慮しなければなりません。
ダイニングの通路幅は主にダイニングテーブルの形や、座る人数、椅子を引いた時のスペースに左右されます。
下記のそれぞれの動作空間に必要な幅の図を参考に、適切な通路幅を確保できるかご確認ください。

リビング・ダイニングの広さや間取りとの関係を考慮する
キッチンの通路幅を広くしたい場合、リビングやダイニングといったキッチン以外の間取りに影響する可能性があります。
どのスペースを優先的に確保したいか、お部屋のレイアウトを決める前にシミュレーションしてみましょう。
生活動線にも優先順位をつけ、心地よく快適に暮らせる空間づくりをすることが大切です。

通路幅はキッチンの利便性に大きく影響します。
キッチンに設置する家具や家電はもちろん、家族構成・ライフスタイルをしっかり考慮した通路幅を確保することで、より快適なキッチン空間を実現しましょう。
Pamouna Storeでは、それぞれのご家庭の環境に合ったキッチンの通路幅を設けいていただけるよう、様々なサイズ・タイプの食器棚・ダイニングテーブルを取り扱っています。
こちらの記事とあわせて、理想的なキッチンの通路幅づくりにお役立てください。
